Milioniaとその近縁属について

 

Milioniaとその近縁属はNew Guinea島、Sunda列島(Sumatra島、Borneo島、Sulawesi島およびその周辺島)、Philippine諸島などの東南アジアに広く分布しています。

色彩が豊かで、赤色や黄色の帯が発達したり、青色の金属光沢が発達したりしています。

このグループはInoue(2005)で12属、115種が図示され、今回のプレート作成のベースとなっています。この論文の摘要では「既知種の全てを図示した」とされていますが、私のコレクションの中にも図示されていない個体があったり、まだまだ奥が深いグループだと思われます。

このグループの特徴は同質性と個体変異の大きさに表れています。特に交尾器では同質性が高く、種の分類に使えないため、種の区別には多くの個体を並べ、斑紋で判断するしかありません。

斑紋の基本は前翅、後翅とも、同心円状に3等分し、内側から前翅を”A””B””C”、後翅を”X””Y””Z”に分けて考えます。多くの種では前翅の”B”に帯が出るため、その有無や位置、形状で判断します。同様に後翅の”Y”にも斑紋が出るので、その有無や形状が重要です(色の差は個体変異です)。逆に前翅の”A”、後翅の”Z”に斑紋が出る場合がありますが、こちらは個体変異が大きく、種の区別には使えません。

裏面も重要です。M. endoiのように極めて顕著な特徴を持つ場合もあります。そうでなくとも、判断の基準になる場合があります。また、表面と斑紋が対応する場合と、対応しない場合があります。このため、Milionia属は裏面を全て図示しています。

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